食事療法を導入する症例はたくさんありますが、肥満症は食事療法こそが王道というか正攻法となる症状です。
肥満は、消費カロリーよりも摂取カロリーが上回ることでおきます。
従って、消費カロリー以上のカロリーを摂取しなければ肥満予防になるし、摂取カロリーを消費カロリー以下におさえれば肥満の食事療法になります。
摂取カロリーを減らすために
食べ過ぎない心構えはとても大切ですが心構えだけで食欲を抑えるのはとても難しいのは誰でも経験していることです。
まずはお菓子や、炭酸飲料を身近に置かない環境をつくります。
お菓子や炭酸飲料の買いだめは、わざわざお金を使って肥満を助長する行為です。
また、お菓子や炭酸飲料のカロリーをよく知っておいて、そのカロリーを消費するためにはどの程度の運動が必要かを連想するのも食欲を抑えるのに有効です。
例えば缶コーヒー1本が45分間歩くだけのカロリーがあると知っていれば、むやみに飲む気にはなれないでしょう。
このアイスクリームはエアロビクス60分というように食品と運動量を結びつける心の習慣を持つだけでも食事療法につながります。
栄養バランスを確保しよう
肥満は健康を損なうだけではなく、ファッション的にもマイナス面が多いのです。
ファッション的な面だけで肥満を解消したいと思う人の中には、極端に食事を減らし急激な効果を望む人がいます。
ところが、栄養バランスをくずしたり、急激に痩せたりすることは体をこわしたりリバウンドの要因になったりして結局は美容的にもマイナスになってしまいます。
炭水化物は時として、まるで不要なものの様に思われがちですが毎日の活動に必要な栄養素なので必ず毎食摂取しましょう。
ただし、炭水化物は多すぎると確実に肥満の原因になります。
特に、甘いものは肥満の大きな要因です。
たんぱく質は私達の体を形成する重要な栄養素です。
できるだけ脂肪を含まない赤身肉や鶏肉を摂取しましょう。
魚はDHAやEPAなど質のいい脂肪分を含む良質のたんぱく質なので肉中心の生活から魚と肉のバランスを考えた食生活に変えていきましょう。
ビタミン・ミネラル・食物繊維は野菜や果実、きのこ海藻類に多く含まれます。
体調を整え,腸内環境を整えます。
また、食物繊維は消化の速度を緩めるので、いわゆる腹持ちのよい食事になり間食の頻度や
量を減らすのに役立ちます。
間食にはお菓子ではなく果実にするとビタミン.ミネラル、食物繊維の補給に役立ちます。
調理方法を工夫しよう
せっかく栄養バランスのいい食材でも揚げものや炒めものでは脂肪分が多くなります。
また、濃い味付けはご飯が進みすぎて炭水化物を摂りすぎてしまいます。
薄味の煮ものや蒸しものがおすすめです。
見た目を多そうに見せることも食べる量減らすのに有効です。
切り方を工夫したり、こんにゃくやきのこなどカロリーの低い食材を使って嵩増しをしましょう。
逆に多く摂取したい野菜などは、加熱したりスムージーにしたりして嵩を減らすとたくさん食べられます。
肥満症の食事療法は必要な栄養を確実に摂取しながら摂取カロリーを減らしていくことがポイントになります。