腎臓の働き
食事療養というと糖尿病についで腎臓病などの食事制限が思いつくと思います。
腎臓という臓器は、食事で食べて入ってきたたんぱく質を消化して代謝したり分解してできる老廃物、酸、余分に入ってきた水分や食塩を尿として排泄している働きを持っています。
例えば食事などでたんぱく質や塩分などの成分を余分に摂取してしまうと腎臓に排泄という仕事をこなしていく中でかなり腎臓に負担がかかってきてしまうのです。
これらがだんだんと積み重なっていくということは腎臓にずっと負担がかかっているということになります。そして、腎不全という症状が起きてしまうのです。
腎不全は乏尿になったり、むくんできたり血液検査でもかなりの数値の異常が出てきます。普段、尿で出てくるはずの老廃物もうまく排出されなくなるので、これらの症状が出てきてしまい、症状によっては透析の必要も出てきます。
腎臓に負担のかからない食事
腎不全になってしまうと当然ですが、腎臓に負担がかからないように食事制限が必要になってきてしますのです。
腎臓に負担をかけない食事療養の目的としては腎機能低下や腎不全の進行を抑えるという目的、そして体の食塩や、水分、カリウム、リンなどのバランスを保つ目的、そして、老廃物による尿毒素が体内に蓄積しないようにするといった目的で食事療養が必要になります。
腎臓病の食事制限をするポイントとしてはいくつかあるのですが、まず第一にたんぱく質を控えることになります。
たんぱく質は体を維持するための最小限のたんぱく質の補給になります。
適正体重を計算して、適正体重の1キロ当たり、0.6g必要という計算をします。
たんぱく質は肉や魚だけでなく、ご飯やパンや麺、野菜などにも含まれるので、これらを計算しつつ、献立を考える必要が出てきます。体重が50kgの人の例で見てみても、ご飯を3食食べておかずで肉や魚少量と、野菜という計算でもなかなかオーバーしてしまいそうな計算なので、このたんぱく質の制限というのはなかなか大変だと思います。
そして、味付けなどによる塩分を控えるようにするのが必要です。一日に7gは超えないようにしないといけません。
ラーメンを食べてしまうとラーメン一杯で塩分量が7g超えてしまうという状況になるそうなので、細かく塩分量を把握しないといけないと思います。
カロリーに関してもその人に合わせた適正量を摂取するようにします。たんぱく質や塩分を控えるとやはりどうしてもエネルギー量が下がり気味になるということで、糖分や油脂類を利用してエネルギーの調節をするようにするということが必要になるのだそうです。
これだけではなく、カリウムのを摂り過ぎないように気をつけないといけないですし、患者さんの状態によっては水分もある程度、量を決めるようにするケースもあります。
カリウムの対策としては一度茹でこぼすといった対処法で調理することが出来るそうです。これらを考えて調理するとかなり味気なくなったりするので香辛料などを上手に利用して味付けに工夫をするようにすると良いです。
また、最近では、これらの腎臓病の人用の食事の宅配なども増えてきているので、これらを上手に活用してみるという方法もあります。