薬の専門家
薬剤師は、医師の処方箋に従って薬を調合し、その薬を安全に患者に処方し、服用の方法などを指導する職業です。
病院や薬局に勤務する他、製薬会社で新薬の研究に携わったり、MRとして活躍する人もいます。
薬剤師は薬のスペシャリストであり、近年では特定の患者に対し、どのような薬を処方すれば良いか、医師の相談に乗るケースも多くなってきています。
また、人間の薬だけではなく、動物用の薬を獣医師の指示に従って調合する薬剤師もいます。
ドラッグストアに行くと、様々な薬が販売されていますが、薬には一般用医薬品と要指導医薬品の2種類があり、要指導医薬品を購入するときは、必ず薬剤師の指導を受けなければならないことになっています。
要指導医薬品にはアレルギー治療薬や鎮痛剤、むくみ改善薬などがありますが、効果が高い薬剤が使用されていて、人体に何等かのリスクを与える可能性があるものです。
また、一般用医薬品でも第1類医薬品であるものは、薬剤師の説明を受けなければなりません。
私たちが薬を安全に服用するために、薬剤師は無くてはならない存在ですが、近年では薬剤師が多すぎて、飽和状態になりつつあり、近い将来、薬剤師の就職難が起こるのではないかと懸念されています。
薬剤師の資格を取得するには
薬剤師の資格を取得するには、薬剤師国家試験を受験し、合格する必要があります。
薬剤師国家試験を受験するには、薬学部が設置されている大学で6年間学び、必要な課程を修めなければなりません。
平成17年度までは薬学部は4年制でしたが、国内の薬剤師の専門性を高めるために、平成18年度から6年制となりました。
薬剤師国家試験もこの変更に伴い、平成24年からは試験内容も変更されました。
薬剤師の国家試験は1年に一度実施され、2月の下旬~3月の上旬の土、日曜日に2日間の日程で行われます。
合格発表は3月の終わり頃です。
試験は全問マークシート方式で、基礎薬学や衛生薬学、薬事関係法規などについて全部で345問出題されます。
薬剤師国家試験は2012年から変更されたこともあり、難易度は高く、合格率は、2013年は79.1%でしたが、2014年は60.8%、2015年は63.2%と、やや低迷しています。
各薬学大学では、国家試験の合格率を上げるために講師を招いたりして力を入れているようですが、薬剤師国家試験予備校に通って国家試験に向けて勉強をするというダブルスクールが、薬学大の学生では一般的になっているようです。
予備校に通うには、余計な費用がかかるので、全ての学生がダブルスクールを行っているわけではありませんが、大学の方でもそれを奨励しているようです。
それほど薬剤師国家試験は難易度が高いということが言えるでしょう。