昔から利用されてきたアロエに期待できる効果とは
古くからやけどをしたり、傷ができるとアロエを利用してきました。
おばあちゃんやおじいちゃんと暮らしていたという方は特に、アロエを利用した経験があるのではないかと思います。
傷が出来た時に利用したり、また傷跡を薄くする効果があるといわれているアロエですが、アロエにはどのような効果が期待できるのでしょうか。
傷はどうやって傷跡になるのか?
転んで怪我をするとすりむき傷ができそこから出血します。
出血すると血系の中の血小板が固まって流血を止める力が働きます。
同時いその周囲は炎症を起こしますので、傷口の周囲に血液の成分が集まり炎症を抑制したり、貪食細胞のマクロファージという細胞が死滅した細胞を取り込みます。
その後に、繊維芽細胞と呼ばれるコラーゲンが傷を修復し、傷痕になっていきます。
傷跡はコラーゲン組織の固まりのようになっていますが不規則な配列で、元に戻るということはありません。
このようなコラーゲン組織を瘢痕組織(はんこんそしき)といいますが、表皮をとおしてこの瘢痕組織が見えるので、傷痕を完全に消すことが出来ないのです。
さてここでアロエですが、ラットの実験ではアロエを塗った傷痕というのは、乾燥甲状腺製剤などを塗った場合と比較して、傷の治りが2週間ほど早くなったという報告もあります。
ラット以外の動物でも、アロエを塗った場合には何も塗らない場合と比較して炎症が抑制されていたという報告がされています。
アロエはどんなことに効果がある?
民間療法として古くから利用されてきたアロエですが、先人の方々がこのアロエの効果をどのように知ったのか?本当に昔の人というのはこうした千恵に長けていたと感心します。
ケープアロエという種類の液汁を煮詰めて乾燥させた商品、アロエの軟膏がありますが、医薬品として扱われており、やけど、切り傷、擦り傷、打ち身などに効果があるとされていますし、あかぎれなどにも効果を発揮すると認められています。
こうした植物由来の商品は、様々な成分が組み合わさり複合的な効果が出るものですが、アロエの研究によると、お肌のターンオーバーを促す作用や、皮膚細胞の結合を強くしてくれるなどの作用がある事もわかってきています。
アロエを利用する場合の注意点
アロエを利用する場合、生の葉のゼリー状になっているドロドロな部分を傷口に貼ったり、塗ったりします。
ただこの傷口が清潔な状態でなかったり、アロエの葉をよく洗って利用しないなどすると、菌類が傷口から侵入し感染症を起こす要因となります。
利用される場合には、傷口をよくあらい砂や汚れなどをよく落として消毒し、乾いてからよく洗ったアロエのドロドロ部分を塗る、若しくはアロエの軟膏などを塗る様にします。